ヤミ献金とかで、政治家の汚職が問題になったりしますけど、問題になり方がちょっと違うような気がしてならないのです。

画像:BSフジ

ヤミ献金とかで、政治家の汚職が問題になったりしますけど、問題になり方がちょっと違うような気がしてならないのです。

つまり、
『あんな悪いことをして金儲けをしてずるい』
この【ずるい】という言葉が情けない。あぁ、情けない。

【ずるい】って言葉はほぼ全体的に【いいなぁ】と同じだと思うのです。



『みんなやりたいけど、やれないことをやってる。ずるいなぁ(つまり、いいなぁ)』です。
いいなぁと思った瞬間に、思った人が情けなくなる。それに気がつかないと。

ひがみみたいな報道はやめないと。
ひがむんじゃなくて、蔑まないと。

人に隠れて5億円のズルをするのって、実際にはアブク銭ではなくて、大変な苦労があると思うのです。
ズルもズルなりに5億円分の苦労がある。
しかも、その苦労は、暗い苦労なわけです。人間として幸せと反対のパワーがいるのです。

まずその部分に注目して、
『お前、そんな暗い苦労してたいへんだなぁ』
という考え方をフィルターとして一つ置くのです。直接悪い目に遭った人以外は、腹を立てるより前に、哀れむ。哀れなヤツだと切って捨てる。それが悪い人には一番いい。
怒るんじゃなくて、軽蔑すると。

だいたいズルで5億円も稼いでいいなぁと、はたからは思えても、実際にはその5億円も大したことには使われていないんです。

我々は2~3千円クシとか買う場合でも、いろいろと選んで、
『あぁ、このラインがカッコいいなぁ』
と思って、選ぶ。それが美しい生きざまなのです。

ズルの五億円で買う物といえば、
『あ、買う物ないや。絵でも買っておこう』
で、名画を買う。
名画が気に入ったんじゃなくて、値の張る物が欲しかっただけ。
『この絵、いいんだぞ。五億円もしたんだ』
完全なバカ状態です。

絵が気に入ったんじゃなくて五億円が気に入ったんなら、五億円を額に入れて眺めていた方が正直です。五億円が好きなんだから。

それにお札も結構考えたデザインしてるし。

出典:『所ジョージの私ならこうします-世直し改造計画-』より