やっぱり、まわりにいる動物を縛って飼っている以上、自分が刑務所の所長みたいなものだよね。

画像:BSフジ
ウチでも犬を飼ってますが、勘違いしちゃいけないのは、奴らを人間と一緒だと思わないことだよね。
『俺がおまえらを飼ってあげてるんだよ』というその態度が大事なんです、動物とうまくやっていくのは。
同等に考えちゃいけません。
たとえば、家で自分の食べるものがなくって、犬の餌はあったとするでしょ。
その時『犬だけでも』━━━そんなのだめ。
自分がへってたら絶対あげない、そういうこと。
まず自分が満足してから次に犬を満足させる、というのがまっとうなやり方じゃない?
犬のほうだけ満足させよう、させようとすると、トンチンカンなことになってくると思うね。
やっぱり、まわりにいる動物を縛って飼っている以上、自分が刑務所の所長みたいなものだよね。
所長のいうことはよくきくよ、何だって。
ほんとは放してもらいたいんだもの。
あいつらは
『いつ僕は解き放してもらえるの?』
という願望のもとに、一緒にいるんだから。
そういうことをわかってないとね。
馴れてるんじゃない、ましてや忠誠を尽くしているわけでもない。
ただ、お赦しを待ってるの、動物たちは。
そして死んでいくの。
うん、よくできている。

私は飼い犬に手を上げます。
なぜかっていうと、犬は家族と違って、買ってきたものだから。
道端に倒れていた犬を私が拾ってきた、というめぐり逢いだったら殴ったりしないと思うんだ。
売られてきた犬にだってかわいそうなところあるけど、私だってかわいそうですよ。
一緒に暮らしていく中で、ルール違反なところもあるからね、あいつら。
あんまり大きくならないという話だったのに、ルールを破って倍以上に育ったり。
裏切ってるよね、私を。
でも、犬はいいよね。
動物が一匹いると幸せになれるんじゃないのかな。
嬉しいときは、ほんとに嬉しそうにするじゃない。
私がどんな人間でも━━━たとえば私が殺人者でも、あいつらなつくものね。
でも、解き放たれた時には、もう帰ってこないと思う。
━━━人質みたいだな。

所ジョージ著:No.1の幸せより